今日の春秋は、個性に乏しく、友人と重なる危険性も高い商品に、消費者が自分の好みのものを最後のひと手間に加えることが流行っているという内容を中心に記述されていた。この冬流行った鍋料理の上に大根おろしでクマやパンダを作ることや購入した服に好みの刺繍を施す衣料品チェーンの登場といったことがその例である。企業と消費者で一緒に物を作る時代の幕開けとも言えるマーケティングについて考えたことを書きたい。

今回の事例で興味深いことは、お客さんが最後のひと手間を加えることで他社製品との差別化が完成するという消費者の存在であろう。これまでのマーケティング理論や一般企業でよく言われることは、企業のみの努力によって他社とは異なる製品を製造することであった。しかしながら、今回は製品自体は他社と同じでもいいが、最後のひと手間を消費者の方に行ってもらうことで差別化が行われるということだ(もちろん消費者にひと手間加えさせるという発想自体は他社と差別化できているが)。実際のところ、消費者が自分個人のために最後のひと手間を加えることに対するバリアは低く、多くの消費者に好まれるのではないだろうか。

3/14の本ブログで、増税後4月以降、企業がどのようにして消費者の購買意欲を高める活動を行うのか楽しみにしている旨を記述した。「消費者の最後のひと手間」もその答えの1つである。これまでの既存のマーケティング活動を見直し、今まで存在してなかった製品やマーケティング活動を新しく展開する企業が1社でも多く存在するよう応援したいと思った。
はてさて、私が勤める企業の4月以降の活動はお客様の心をつかめるであろうか…。